物流最適化に向けアパレル業界の【いま】に疑問を抱く①|オープンソースの倉庫管理システム(WMS)【インターストック】

物流業界トピックス

物流最適化に向けアパレル業界の【いま】に疑問を抱く①

no38

皆様こんにちは。
【物流最適化に向けアパレル業界の【いま】に疑問を抱く】をテーマに記事を書きたいと思う。
大きなテーマなので数回に分けてアパレル業界の【いま】に注目していく。

今回の【いま】はアパレル業界の『仕入方式』について考えていく。
アパレル業界が抱える在庫過剰の要因として『仕入方式』が大きな要因ではないかと考察している。

まずは小売業の仕入方式について簡単に説明する。

 

 

 

 

 

◆仕入方式について

【買取】

小売店がアパレルメーカーから商品を買い取る方式で商品は小売店側の資産となり、下代(仕入価格)に自社の利益を上乗せして上代(小売価格)を設定することができる。

【委託販売】
百貨店とアパレルメーカーによく見られる仕入方式で、納品した段階でメーカーは下代(仕入価格)を売上に計上することができる。仕入れた商品は百貨店側の資産となるが、
上代(小売価格)はメーカーが設定する。ただし、売れ残った商品についてメーカー側に返品することができる。メーカー側は仕入時に計上した売上から返品分を減額をする。

【消化】
小売店が店頭で売れた商品分だけ仕入をする方式で、納品された商品はメーカーの資産となり、上代(小売価格)もメーカー側で設定をする。

大きく分けて以上の3つの仕入方式がある。
その中でも【委託販売】について考えていきたい。

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◆百貨店業界の習慣に潜むブラックボックス

昨今、百貨店業界は一時期インバウント需要で売上を伸ばした時期もあったが、ピーク時(1991年)の9兆7130億円に比べ約4割減少し2015年(インバウンドピーク時)でも6兆1742億円であった。

百貨店が苦戦する中で、消費者の購買意欲に関する記事をよく目にするが、本当の要因はそれだけでないと感じる。
大きな要因としては先ほど上記で説明した『仕入方式』が関係していると考える。
従来、百貨店とアパレルメーカーの商習慣である【委託販売】は下記ようなメリットがあった。

(メリット)
①メーカー側で販売商品のコントロール
②百貨店側の在庫負担の軽減

しかし、百貨店側は売れ残りのリスクを負うことがないが、在庫不足によるリスクはあるので過剰在庫・過剰注文が発生してしまう。
オーバーストア・オーバーサプライによって在庫の偏在が発生し、地方の百貨店は、その影響を直に受け、販売機会を損失している。

◆まとめ

従来考えられてきた【委託販売】のあり方を見直す必要があるのではないかと感じる。
メリットとして考えられた小売側の在庫負担の軽減については、結局、過剰在庫が発生することで販売員は日々在庫管理を追われることになる。
さらに、オムニチャネル化が進むにつれ、商品在庫の可視化は必須条件になると感じる。

在庫管理が十分にできないことで、商品知識を把握する時間がなくアパレル業界が全体的な悪循環に陥っていると感じた。
今後は、在庫管理をさらに重要項目ととらえRFID等を活用し、店舗側では販売支援ツールの積極的な取り組みが重要になると感じる。

参考文献
・経済産業省 製造産業局著『アパレル・サプライチェーン研究会 報告書 2016年6月』

著者:コニー
アパレルブランドで培った経験を活かし、 アパレル物流について日々勉強中。

 




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