3月18日に日立製作所の新型鉄道車両「あずま」がロンドンのキングスクロス駅でお披露目された。
既に866両を受注しているとして、2年後の2018年からロンドンと英北部スコットランドのインパネス間で運行を開始する見込みだ。
日本の技術、品質の評価は高く、日本というブランドイメージは世界でもTOPクラスであることが伺える。
こうした日本ブランドに対する顕著な動向の一つとして「越境EC」が挙げられるだろう。
EC関連記事で頻繁に目にする、国境を超えると書いて「越境EC」というワードがある。
ご存知の方もいらっしゃる方と思うが、国際電子商取引を指している。
市場の上位が、中国、台湾、韓国、米、東南アジアと続き、国内の消費縮小傾向に向かう市場に対して、カンフル剤として数年前から着々と準備を進め展開している企業が後を絶たない。
2015年の売上で7兆円を超え、中国にも55店舗を展開する国内最大手GMSのイオンリテール株式会社も、今年の2月より中国の超大手企業アリババグループ(2015年売上約7兆6千億(円換算))の運営する越境ECモール「天猫国際」に出展を開始した。
当然ながら、この越境EC展開は他国との商取引となるわけで、支払決済トラブル等に陥るリスクを秘めているが、現地での実店舗展開時における様々なリスクから見れば、割がいい。
こうした海外を視野に入れた企業ブランドの売り込みと越境EC展開の反響も相まって、国内実店舗に出入りする観光客の姿も目立ち、いわゆるインパウンド需要として記憶に新しい2015年の流行語大賞にも選ばれた法訪日外国人が家電製品などを大量に購入する「爆買い」反響もEC市場に影響し、恩恵を受ける企業も多く存在していた。
ところが2016年に入り、その購買動向も急速な円高の影響もあって、減少傾向に向かっていると騒がれている。
しかしながら、どうやら3月21日発行の日経ビジネスでは、巨大な内需は拡大を続けており今年の中国のEC市場規模は100兆円を超えるとまで言われている。
ここ数年の越境ECアイテムランキングから見ると上位が、「菓子、食品、医薬品、アパレル」と続く。
支払決済に関しては、日本、アメリカにおいてはクレジットカードでの決済が多いのに対し中国は、第三者支払サービスによる支払(Paypal Alipay等)が多く、クレジットカード決済は過半数を切ると言われている。
サイト上の表示価格には関税見込み額や為替影響による見込み額などを考慮する必要性があり、購入時の価格イメージとのギャップから返品に陥るケースは十分注意したいところ。
また、新しい動きとして2016年4月から中国の越境ECに対して中国政府は新たな税制度をスタートさせる事を公表し、増税と減税の内訳内容を持ち、一概に悲観的な制度としてではなく「強化」という側面を併せ持つと言われている。
2016年に入り、1月29日のマイナス金利に期待された円安も想定とは逆に、円高の進行が止まらない。
どこまで円高は進むのか。
中国の「爆買い」は名の如く、流行で終わるのか?それとも越境ECの成長と共にまだまだ拡大を続けていくのか?
これからも益々目が離せない。
著者:モリオ
飲料メーカーで培った経験を活かし、 食の安全と物流をキーワードに執筆活動開始。