2016年に入り、弊社へWMSについての問合せも増加傾向にあります。
Yahooニュースでも話題となったスイスのCST(Cargo Sous Terrain)が発表した地下物流網を説明するYouTube動画ご覧になられましたか?
漫画や映画の世界で描かれた未来物流が現実化する日も遠くないと言う事がわかり、私もワクワクしました。
さて、話を戻しますが前編でもご紹介しておりますWMS(Warehouse Management System)とは、倉庫在庫管理システムの略になります。
販売管理等の基幹システムに含まれる在庫管理機能とは別で独立したサブシステムを指しており、複雑に入り乱れる作業現場のリアルタイムな情報処理が可視化される仕組み「物の動向管理」、つまり物の流れを管理する目的に効果を発揮します。
YouTube動画≪Cargo sous terrain – Erklärung System≫
⇒https://youtu.be/r11X-zMF_pc
SCMを展開する大手企業のメーカーや卸業、チェーン展開する小売業では、
このWMSの重要性について早い時期から理解を示し、既に情報の可視化による企業間の共有や、物流の効率化においてのキーファクターとして機能、拡張し続けています。
SCMとは(Supply Chain Management)の略で、企業間のロジスティクスを共有するマネジメント手法を指しています。
図1にあるように、物流が機能や手段とするならば、ロジスティクスは運営する仕組みを指しています。
つまり、各協力企業それぞれのロジスティクスを共有、連携してマネジメントしていく事がSCMとなります。
当然ながら、SCM展開する事自体、中小企業にとっては、決して容易な事ではありません。
SCM展開するには、最低限に自社の物流と、ロジスティクスを確立していく事が必要とされます。
その段階として、自社の在庫管理運営をシステム化し、情報を可視化、業務の効率化を図り物流体制を整えます。
システム化した後、その収集したデータをもとに分析を図り、調達から在庫計画、
サービス提供までを一貫した戦略的かつ効率的な運営体制を行い続けます。
それがロジスティクスの確立と言う事になります。
受発注業務の際、情報のやり取りにおいてEDIを使用するケースも多いと思いますが、中小企業ではEDI以外のFAXやメール等での受発注を行っているケースも多く存在しています。
EDI(Electronic Data Interchange)とは、電子データ交換を指しており、経済産業省による定義では、 「異なる組織間で、取引のためのメッセージを、通信回線を介して標準的な規約を用いて、コンピュータ間で交換すること」となっています。
オンライン化する事で、正確性や効率性の向上を図る事ができると言う観点から流通業界では特に早い時期から普及が進んでいます。
以前はJCA手順(日本チェーンストア協会規格通信手順)の電話回線を使用した通信をしていましたが、昨今はインターネットを経由するWEB-EDIがあります。
しかし、取引企業ごとに交換データのレイアウトが異なる事や、制限等から項目の追加や変更等が容易に行えなかった為、個別の対応や、変換する為に開発費用が嵩んでしまう等、最適化に至るにはまだまだ課題が存在していました。
そこで、経済産業省では問題解決の為、「流通システム標準化事業」を2007年4月に制定し、統一化されたEDI標準仕様の流通BMS(流通ビジネスメッセージ標準(Business Message Standards)が誕生しました。
図2のように、この流通BMSは、課題となっていた通信インフラ、データレイアウト、業務効率、正確性、迅速性等が改善されるようになり、サプライチェーン全体で最適化が図れるようになりました。
こうした流通BMSの存在により、WMSや基幹システム等でも効率的なデータ連携を行えるようになり、商品を受け入れる小売店においても検品レス、伝票レスで業務プロセスの改善にも活きるようになりました。
物が作られ、それらが私たちの手元に届くまでの過程において、様々な工程や関わる人々が存在しています。
その数だけ、課題となる障害との遭遇、改善に繋がるチャレンジが日々繰り返されています。
日本では、まだまだ先の話かもしれませんが、この大きな括りにおいて大変革する時期が訪れる事は間違いないと思っています。
これからの物流変革に繋がるような情報サービスで未来を創る為、日々学び続け、サービス提供していきたいと思います。
著者:モリオ
飲料メーカーで培った経験を活かし、 食の安全と物流をキーワードに執筆活動開始。