「在庫管理」という言葉は企業であれば必ずと言っていいほど使われる言葉です。
在庫管理とは?と問うこと 事態がおかしな様に思われます。
それほど在庫管理というのは企業にとって大切な管理の一つなのでしょう。
では、殆どの企業がしっかりと在庫を管理されているのか?という話になるとどうもそうではないようです。
「我が社では在庫管理について徹底して管理している」と胸を張って言い切れる経営者の方はいらっしゃるでしょうか?
恐らく殆どの方がノーとおっしゃるはずです。
それでは何故これほど当たり前の用に使われる在庫管理について 殆どの企業様で徹底して管理されていないのでしょうか?
「管理していないのではなく、しようと思っても出来ない」 こういった諦めに近いお言葉が聞こえてきそうです。
在庫管理をしようとする意識がないわけではなく、管理しようと思っても出来ないからしていないという企業様が殆どのようです。
それでは何故しようと思っても出来ないのでしょう。 このことについては大きく2つの要因が考えられると思います。
1.会計のように明確な管理方法が存在しない
2.管理する為に必要な情報入手が困難
会計であれば簿記というしっかりとした考え方が存在しますし、教育体制も整っています。
しかし、在庫管理についてはその様な管理方法、教育体制は存在しません。
また在庫を管理する為には在庫が動いたタイミングでいかに正確に情報を記録するかが大きなポイントと なりますが、この記録が困難な場合が非常に多いようです。
現場の方が記録してくれない、忙しくてそんな暇は ない、手書きで管理してもミスが多くて当てにならないなど・・ つまり明確な管理方法+正確な情報を簡単に入手する方法さえ知ることが出来れば在庫管理は簡単に行える ということになります。
この2点について重点的に現場で検討を重ね、システム設計に反映出来れば、使える在庫管理システムに一歩近づけるのではないでしょうか。
私たちはよく在庫管理についてのお問い合わせをお客様より頂きます。
そうした中で私たちは お客様に「何故在庫が管理出来ないとマズイのですか?」とお聞きすることがあります。
お客様は「何を当たり前の事を聞いてるんだ!?」という風な反応をされますが、実は在庫が合わない ことによって解決したい根本的な問題はお客様によって異なるのです。
例えば無駄な在庫が多い場合の問題点として、在庫維持費用が増える、金利負担が増える、 デッドストック、値下げによる損失、スペースを圧迫する、ムダな作業の発生、余分な管理が必要に なる、材料、部品の先食いが起きる、エネルギーの消費など少し上げただけでも様々な問題が起こります。
在庫が少ない場合はどうでしょうか? 欠品による販売機会損失、クレーム、生産ラインの停止、過剰発注などがよく聞かれます。 これらは全てのお客様に当てはまるのかと言えば決してそうではないはずです。
これらのうちいずれか数点が大きな問題となり、経営状態を悪化させる一因となる場合に、 「何とかしなくては」と在庫管理について真面目に取り組まれていると思います。
一言に「在庫管理」といってもお客様により様々な解決策、問題点の解決優先順位が異なります。
システム化を検討される上で今一度その辺りを注意して考えないといけないのだと強く思います。
在庫が合わないので在庫があうような仕組みを単純に検討するのではなく、在庫が合わないことによって生じる 根本的な問題、リスクという背景を知り、検討することにより使える在庫管理システムを構築しましょう。
著者:まさやん
製造業を中心にこれまでに300社以上の倉庫管理システムの導入を経験。
その酸っぱくて甘い経験を活かし、失敗しない効果性の高い倉庫管理システムの導入コンサルタントとしても奮闘中。