今回は、年末年始に向けての年末商戦の在庫管理についてお話ししたいと思います。
街中いたるところにクリスマス、お正月関連商品が販売されていますが、季節商品関連在庫の仕入と在庫管理はとてもリスクが高いものだと改めて感じています。
年に1度しかないイベント、物販だけに限るとクリスマスグッズや料理、ケーキなどの関連商品、お正月用の注連縄や鏡餅、お年賀など、在庫の動きは、店舗に限らずメーカー、物流業者でも1年の中で最も集中的な盛り上がりを見せます。
しかし、イベントが終わった途端、在庫の動きはピタリと止まってしまいます。
そのため、店舗もメーカーも物流業者も何としてでもイベント終了日までに過剰在庫が出ないよう在庫を捌き切るため在庫管理を徹底して行う必要があります。
大手小売チェーンなどであれば、POS等で過去の仕入から販売予測を出し、過剰在庫が出ないよう仕入計画を立て在庫管理をしていると思いますが、100%在庫を捌くことはできません。
季節商品であっても賞味期限のないクリスマスツリーやグッズ、ランドセルなどは、型落ちなどで翌年に持ち越し、販売できるチャンスはありますが、保管場所を取り、目に見えない費用が発生するリスクが出てきます。
もし在庫が全て捌ききれなかった場合
1.割引セールで売価を下げて在庫処分
2.廃棄処分
3.翌年のシーズンまで保管(実質は不良在庫)
上記くらいの選択肢しかないと思います。
賞味期限のあるクリスマスケーキやおせち料理、その年にしか使えないカレンダーなどの在庫管理(生産計画)は、データだけでなく、メーカー担当者、仕入担当者、物流担当者の手腕に頼わざるを得ない状況が未だにあります。
仕入を行う店舗サイドでは、イベントの直近で単品、もしくは小ロットで仕入を行い、期間中に限り在庫切れの前に追加発注を必要な数だけ行いたいという思惑があり、メーカー(卸)サイドでは、生産計画のためにできるだけ早い段階で仕入情報を入手しイベント前に必要数の手配(生産)を行い、期間中には在庫を抱えたり、生産したくないという思惑が働きます。
どちらも過剰在庫を残さないよう多くの品種を小ロットで「売りたい」「供給したい」という考えでは一致しているのではないかと思います。
消費者の立場から見ると意識することは無いと思いますが、特に繁忙期には、在庫管理に関する両者のせめぎ合いが常に起きているのです。
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皆様、良い年末年始をお迎えいただき、新年のメルマガにご期待ください。