今回は、私たちの暮らしを便利に支えてくれる24時間365日営業、
そこに関わる物流について考察して見たいと思います。
コンビニやスーパーなどの小売店、ファミリーレストランやファストフード店などの
飲食店。
私達が一般的に思いつく業界だけでなく、大病院などの医療機関、様々な業種の工場、
電力会社、データセンター、各種サポートセンター、その他多種の企業、機関など
以外に思いつかない業種でも24時間365日営業を行っているのです。
そして、これら全てに関係してくるのがやはり物流なのです。
・小売店では、在庫がないと棚空きが発生して集客が減ってしまいます。
・飲食店では、材料がないとお客様に提供できる料理が減ってしまいます。
・医療機関では、機器の故障や医療品の欠品は人命に直結します。
また、飲食店同様、入院患者さんに提供する食事にも材料は欠かせません。
・工場では、機器の故障や原材料不足で生産計画が崩れ、出荷の遅れから顧客に損失を
与えてしまう事もあります。
・電力会社では災害などによる断線によって発生した停電をいち早く復旧する責務があ
ります。
・データセンターでは24時間365日電力の安定供給を停止しないため常に監視が必要となります。
また、ホスティングサーバに障害が発生すると個別対応も必要となります。
・サポートセンター、特に機器故障など早急な復旧が必要な場合には時間を問わず迅速な対応を求められます。
・ネットショップでも短時間で配送可能なサービスも稼働していますし、通販についても深夜のテレビ、ラジオで注文を受けるための人員が必要となり
ます。
直接の営業に関わらなくても資材や部品供給のため、24時間365日体制を敷いている企業も多数存在します。
それらに応える物流も、24時間365日稼働が当たり前となって既に20年以上経過しています。
今まで陽の目を見ることがあまりなかった物流も、縁の下の力持ちとして20年以上のノウハウを築いており、以前ご紹介した、佐川急便さんのCMを初め、ダイワハウスさんや三菱地所さんも物流を前面に出したCMを放映されているのを最近よく見かけます。
物流の稼働についても、繁忙時間帯や繁忙期を見てみると、面白いことが見えてきます。
時間帯についての比率を見てみると、6~12時が最も多く、次いで12時~18時、0時~6時、18時~0時の順になっています。
繁忙期の月別で見ると、年末にかけての12月、次いで企業、官公庁の7割を占めるという決算月の3月がの出荷動向が多く見られます。
逆に、年始、ゴールデンウィークやお盆など連休の重なる月は出荷減の動向が見られます。
曜日別で見ると、月曜、金曜が最も多く、火曜、水曜、木曜は多少減、土曜、日曜の出荷については大幅減という動向となっています。
ここで面白いのは、業種、規模を問わず、ほぼ同じ動向となっていることです。
しかもこのデータは5年ごとに統計していますが、20年以上ほとんど変わっていないのです。
この先、更に便利さを増していくと予想される各24時間365日体制に大きな変化は見られるのでしょうか。
今後も様々な角度から、今までとこれからの物流を考えていきたいと思います。