最近ではすっかり「ロジスティクス」という言葉が世の中に浸透してきました。日経等のビジネス雑誌でも頻繁に用いられています。
では「物流」との違いを把握されている方はどれくらいいらっしゃるでしょうか。
おそらく「物流=ロジスティクス」と同義語として考えておられている方がほとんどではないでしょうか。
「物流」とは、文字通り「物」の「流れ」であり、トラックによる配送や倉庫でのピッキング、在庫管理などがすぐにイメージできると思います。
しかし「ロジスティクス」となると少し「???」になりませんか。雰囲気的に物流よりも限定的な意味を持っていそうな気がします。
実はそれぞれに違いがあるのでは、と思い比較してみることにしました。
Wikiペディアからの引用によると、ロジスティクスとは、
サプライチェーンプロセスの一部であり、顧客の要求を満たすため、発生地点から消費地点までの効率的・発展的な「もの」の流れと保管、サービスおよび関連する情報を計画、実施、およびコントロールする過程である。
ロジスティクスは物流において、生産地から消費地までの全体最適化を目指すものである。
対して物流とは、
物的流通(ぶってきりゅうつう、Physical Distribution PD)、略して物流(ぶつりゅう)とは、生産物を生産者から消費者へ引き渡す(空間および時間を克服する)ことである。
主な機能としては、輸送・配送の他、保管・荷役(にやく)・包装・流通加工・物流情報処理がある。その中でも、輸送・保管・荷役・包装・流通加工は「物流5大機能」と言われる。
商流が営業等販売活動や代金回収活動を業務の流れと捉えているのに対し、物流は生産物を移動あるいは保管する業務の流れを指す。
広義には、生産活動としての人の搬送も含める場合がある。
と記述されていました。
つまり、物流とは生産地から消費地までモノを運ぶことを表すものであり、ロジスティクスとはその物流を支えるサプライチェーン全体の最適化を目指す仕組みや手段のことだと言えます。
ロジスティクスは、もともと軍隊用語で兵站(へいたん)と訳されます。
戦争時の作戦遂行に必要な兵器や兵員や兵糧を確保し、管理し、補給するまでの全てのマネジメントを指します。
こうした記述を見るだけでも「物流」と「ロジスティクス」の違いについて少し理解が進んだような気がしますね。
*** 世界的に注目を集める物流 ***
いま、物流は国内だけではなく、世界的にも注目を集めています。
その一例として、これまで表に出てくることのなかった物流関連のCMが今年の3月からTVで流れているのです。
佐川急便が立ち上げた先進的ロジスティクスプロジェクトチームGOAL(GO Advanced Logistics)のCMがその一例です。
俳優の織田裕二さんが、法人企業向けの物流改善を提案するストーリーです。
ここでは「物流の提案力」という言葉が積極的にPRされています。
CMの内容によると、約150名の物流に精通したプロジェクトメンバーが物流改善提案を行うようです。
これまで「物流」と言うと、高く積まれた在庫をリフトで運び、重い荷物をトラックに運び込むという屈強な男性的なイメージが強いと思いますが、近年では物流倉庫で働く作業者の多くは女性ですし、女性のドライバーも増えてきています。
ネットショップや、通販の拡大で物流現場も大量配送から個別配送に推移しており、少量多品種を扱うため、商品のピッキング(集荷)や梱包などにも丁寧さが求められるようになっています。
人気のトップ俳優が物流のCMをするなんてことはこれまででは考えられないことでした。物流のイメージが大きく変わろうとしているのを感じます。
いま世界中の企業で注目される物流の全体最適を図るロジスティクス領域において今後は企業のIT投資が積極化していきます。
ロジスティクス領域の改革の成否によって、企業の競争力が問われる時代です。
その為にもまずは、”物流”と”ロジスティクス”の違いについて学ぶところから初めてみたはいかがでしょうか。
*** 最後に少しだけお知らせ ***
『INTER-STOCK』は700社以上の導入実績とともに、16年にわたり物流改善のノウハウを蓄積したカスタマイズに強いセミスクラッチ型の倉庫管理システム(WMS)、在庫管理システムです。
システムによる改善だけでなく、ロジスティクス領域に精通した専任エンジニアがヒアリングと調査を行い、的確な業務効率改善のご提案も行っております。