本日ご紹介したいのは、
日本国内でのしょうゆの販売シェア30%を誇るキッコーマンさんです。
2014年現在の連結売上高は3000億円を超える日本を代表する食品メーカーです。
同社が物流改革に乗り出したのは今から約20年程前に遡ります。
社長自らプロジェクトリーダーとなり、全社挙げての物流改革を当時から今なお続けています。
この物流改革プロジェクトは3年単位で重要ポイントを改善していきます。
スタートの3年は受注ルールの整備と配送ロットを効率化し年間9億円のコスト削減に成功。
現在も3年単位でこのプロジェクトは実施しており、今までに約20億円以上のコスト削減の実績を上げています。
同社は全国配送を3つの配送センターと倉庫2つで全てカバーしています。
在庫を保有する拠点を絞り込むことで、在庫期間を短縮することができ、鮮度の良い商品をお客様に届けることが可能になります。
KOLS(Kikkoman Order Less System)と名付けられた同社独自の物流管理システムも開発し、
メーカーとしての物流管理の高度化を常に探究する姿勢は業界の見本となっています。
このKOLSを日々進化させることにより、商品を決まった日時に正確に届けて欲しいというお客様の要望に対応し、
物流サービスのレベルアップを目指しています。
また在庫削減によるキャッシュフローの改善にも余念がありません。
同社の物流管理の主眼には、“サービスレベルを向上しながら、コストも削減する”といものです。
在庫削減への熱心な取り組みもその為です。
主力商品である醤油は2日~3日で品質が落ちるものではなく、同社の圧倒的なブランド力もあり、
在庫が売れ残ることが余りない為、以前は在庫削減についての意識は社内であまり高くありませんでした。
どちらかというと欠品リスクを冒してまで在庫削減することよりも、
生産効率を上げてコスト競争力を高める方向に社内の意識は向いていました。
しかし、KOLSを物流サービス向上だけでなく、より高度な在庫削減を可能とするシステムとしていくためには、
顧客とのオンラインでの情報共有や、需要予測精度の向上が重要なステップとなります。
キッコーマンさんは今後も「安心・安全・迅速・確実・丁寧」な物流サービスを確かなものにする為、
KOLSをベースに更なる進化を目指し、私達に見本となる物流管理を今後も見せてくれることと思います。