現代の物流の姿が構築されるに至った歴史を振り返っていきます。
まず最初に物を運ぶ、預かって管理するという考えは昔からありましたが、日本にはそのことを「物流」という認識で具体的なサービスとして構築していませんでした。
ただ物を運ぶ、預かるといった状況が変わったのは1960年代から。
日本は「大量生産」「大量販売」の高度経済成長期を迎えたので、これに伴い大量のモノを消費地まで運ぶ「大量輸送」が必要となりました。
この大量輸送に対応するために、政府は道路や港湾整備を急ピッチで進め、列島の東西を結ぶ東名高速道路が開通したり、地方空港の整備が進んだりしました。
企業においても物流の重要性が意識されるようになり、自動化・機械化された物流拠点が各地に建設され、現在につながる近代的な物流体制が整い始めた時代ですね。
昔の考えだと「輸送」「保管」という二つがメインだったのですが、物流がサービスとしてより完成されてからは物を保護して運びやすくする「包装」、物を積み降ろす「荷役」、値札を付けるなどの小売業者の要望に応える「流通加工」、全体の物流活動を統合する「情報管理」を加えた6つのサービスで構成されています。
また日本の物流の考え方として最近「ロジスティクス」という言葉が用いられるようになりました。
ロジスティクスとは自社から消費者に商品が届くまでの販売物流だけでなく、製造に投入する原材料や商品の仕入れなどの調達物流、原材料の出庫から製品への入庫、商品の社内移動などの社内物流と、あらゆる物流を包括するといった全体最適の視点から効率化を実現しようという考え方や仕組みのことです。
営業や生産などの企業の内部・外部活動も範囲としている概念であり、経営戦略とも密接に関わってくる部分が今までの物流という言葉に比べた違いとなります。
曖昧な言葉として広く使われている「物流」・「ロジスティクス」の内容を起源も踏まえてご紹介しました。