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*** EC輸送はこれまで宅配便に頼ってきた ***
ECの拡大がサプライチェーンの姿を変えようとしています。
市場の最前線はリアル店舗から自宅のPCやスマフォに分散していきました。
当然のように物の流れも一変し、各企業はロジスティクスの再構築を迫られています。
これまでECの輸送は発地から着地まで全てを宅配便の物流ネットワークを使うやり方が主流でした。
自社倉庫まで集荷してくれ、そこから先は全国に均一のサービスで届けてくれる絶対的な安心感とお手軽感は荷主にとって多大なメリットを得ることが出来ていたからです。
日本の宅配便のサービスレベルは世界一と言っても過言ではありません。
中国でもECの拡大に伴い、宅配便市場は急激な成長をみせていますが、サービスレベルは日本に比べるとまだまだ低く、宅配便は消費者からあまり信頼されていないサービスとなっています。
また中国では本格的な宅急便が普及する前に、ECが急成長しました。
その為に、大手のEC業者が自社で宅配網を構築するケースが主流となっていました。
日本でも最近は大手EC業者が宅配便だけに頼るのではなく、自社の物流網を構築しようとした動きが出始めています。
宅配市場の寡占化が進み、選択肢がない状況で、値上げを迫られると荷主には選択肢がありません。
また大手の宅配便は高度にパッケージ化されており、個別の荷主のニーズに合わせてカスタマイズするのは難しいのが実状です。
こうした荷主のストレスや将来の運賃値上げの懸念から、今後はネット通販の宅配便利用の在り方が変わってくるでしょう。
*** 多様化が進むEC輸送 ***
これまで大手3社の宅配便に頼り切っていたEC輸送は、今後多様化していくことが予想されます。
国内で宅配便を行っている業者は大手3社(ヤマト、佐川、ゆうパック)以外にも実は沢山あります。
カトーレック(カトー宅配便)、福山通運(フクツー便)、西濃運輸(カンガルー便)、トナミ運輸(パンサー便)、
岡山県貨物運送(ハート宅配便)、中越運送(中越宅配便)等々です。
しかし、こうしたローカル便はヤマトのように全国に配送網を持っていない為、配送地域が限定されたり、一部地域は配達に時間がかかったり、また時間帯指定やクール便などのサービス面においてどうしても大手3社には劣ります。
ですが、利用出来る国内便を有効活用することで、自社の物流網を再構築する動きが今後主流になってくると筆者は予想しています。
例えばヤマトなどの大手宅配業者に物流を依頼した場合は、下記の流れで顧客に商品が届きます。
この場合、②の発地ターミナルでまず方面別に仕分けを行い、③の着地ターミナルで営業所別に仕分けをし、④の営業所でルート別に仕分けを行いますので、計4ヶ所を中継して3回の仕分け作業が発生します。
しかし、ある特定の地域へ荷物がまとまるのであれば、発地から着地の営業所に直接運び込むことが可能になります。
ラストワンマイルも物量が多いエリアであれば、宅配便だけではなく、軽トラック運送事業者等を使って自社専用便を走らせることも出来ます。
今後は荷主が主導となり、自社の配送網を構築する動きが増えてくると予想されます。
ラストワンマイルも宅配便から独自輸送への切り替えが進むでしょう。
*** これから荷主主導で自社配送網を構築 ***
これまで多くの輸送業者は、荷主に言われなければ、輸送手段の選択などはしないというのが当たり前でした。
ただ、トラックやドライバーの供給量が低下するこれからの時代にはそうした当たり前の悪しき慣習を改めていかなければなりません。
これからはローカル便を含め、利用出来るあらゆる輸送手段を選択肢に入れて、物流のサプライチェーンを構築することが求められてきます。
大手の宅配業者に頼ってきたこれまでのEC輸送は今後多様化していくことが予想されます。
荷主であるEC事業者は利用出来る国内便を組み合わせることで選択肢を増やし、今後予想される宅配業者の運賃値上げの対抗策を準備しておきましょう。
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