第4次産業革命の到来 経済産業省が示した「新産業構造ビジョン」をロジスティクスの観点で探る(3)|オープンソースの倉庫管理システム(WMS)【インターストック】

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第4次産業革命の到来 経済産業省が示した「新産業構造ビジョン」をロジスティクスの観点で探る(3)

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ロジスティクスの効率化は多くの企業にとって急務です。
何故なら、いまの企業競争はロジスティクスによって決するといっても過言ではないからです。

ロジスティクスを戦略的に考え、顧客に付加価値を与える為の最重要戦略として捉えていく必要があり、もはや必須条件で
あると言えます。

これからのロジスティクスには時間と場所の制限を超えたリアルタイムなデータ活用と、オンデマンドにサービスを提供する
フレキシビリティが求められます。

そしてそれを後押しするかのように、IoT、ビッグデータ、人工知能(AI)、ロボットなどの技術革新による、第4次産業革命の
波が押し寄せています。

この大きな波を上手く乗りこなすことができるのか、それとも飲み込まれてしまうのか、日本のロジスティクスはその転換期を
迎えているのです。

 

*** 2030年超スマート社会実現に向けた5つの課題 ***

 

前号に続いて2017年5月30日に経済産業省が発表した「新産業構造ビジョン」の内容を簡潔に要約しながら、来る第4次産
業革命で何が起こるのか、そしてそのチャンスをロジスティクス領域でどのように活かすことが出来るのかを考察していきます。

「新産業構造ビジョン」では、2030年を「Society5.0」を基本戦略とした超スマート社会実現のゴールと定め、その実現の為に
中長期的に解決を求められる5つの課題について説明しています。

※Society5.0については、本マルマガ第156号で詳しく説明しています。
https://www.inter-stock.net/column/no156/

今回は超スマート社会実現の前に立ちはだかる”5つの課題”について、分かり易く解説をします。

 

*** 課題1:不確実な時代に合ったフレキシブルなルール設定 ***

 

技術やビジネスモデルの革新、法規制の変化や政変など将来の不確実性は日増しに大きくなっており、将来の変化を的確に
予測して、戦略を構築することが困難になりつつあります。
こうした不確実な時代に合った、フレキシブルなルール設定において、日本は欧米諸国の先進国に遅れをとっています。

開業率や企業活動指数などでランキングされる世界の「ビジネス環境ランキング」において、2016年日本は24位でした。
2013年が15位でしたから、そこから大きく順位を下げています。

この統計が示すように、ビジネス環境において日本が他の先進諸国より劣っているのは明らかです。

その大きな要因の一つとして、法規制などによる厳しいルールがあげられます。

成長領域への多様な挑戦を促す為には、試行錯誤の為の社会実証を積み重ねることが必要不可欠です。
米国で急成長しているライドシャア最大手のUber(ウーバー)なども、その好例ではないでしょうか。

規制が必要以上に厳しく設定されていれば、試行錯誤を通じたデータ等の蓄積が思うように進まず、具体的なニーズを証明
することが出来ません。

日本のこれまでの政策手法では、スピード的にも国際的に大きく遅れをとり、ガラパゴス化してしまう恐れがあるのです。
地域、期間を限定し、「まずやってみる」ことを許容する「レギュラトリー・サンドボックス(実証による政策形成)」の普及が急務です。

※レギュラトリー・サンドボックスについては、本マルマガ第156号で詳しく説明しています。
https://www.inter-stock.net/column/no156/

不確実性に対する優れた戦略というのは、ビジョンに対するコミットメントと、柔軟性であり、外部環境に競争のルールを決められて
しまうことは決して望ましいことではありません。

 

*** 課題2:変革を起こす若者の育成と多様な活躍の後押し ***

 

未上場で時価総額が10億ドルを超えるスタートアップ企業のことを”ユニコーン企業”といいます。

現在世界最大のユニコーン企業と言われているのが、Uber(ウーバー)でその企業価値は6兆円とも噂されています。

その他にも宿泊最大のプラットフォームを提供するAirbnb、フォームに必要事項を入力するだけで会社の設立が出来るサービスを
提供するStripeなど、こうしたユニコーン企業は現在世界に200社程存在しています。

しかしその内訳は米国96社に対して日本ではメルカリの1社のみです。

第4次産業革命はデータの利活用であると前回ご説明しましたが、データの利活用を最大化する為には、国内のみならずグロー
バルな情報を手に入れた企業が主導権を握るのは火を見るよりも明らかです。

日本発のグローバルベンチャーの発掘とその変革を起こす若者の育成支援は国をあげて取り組まなくてはならない重要事項です。

 

*** まとめ ***

 

ロジスティクスがただ「モノを運ぶ」だけのものではなく、新たな価値を生み出す存在としてクローズアップされる現在において、
不確実な時代に柔軟に対応できるルール設定や改訂を進め、最先端の技術をいかにロジスティクス分野で活用するかといったエン
ジニアリングが出来る若者の育成を行っていかなくてはならないと考えます。

次回、残りの3つの課題について詳しく説明します。

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