東京オリンピックの会場問題が話題になっています。
課題となっているのは、いかに出費を抑えてコンパクト
にまとめるかです。
確かに当初予算からみるとあまりに膨れ上がった
建設費は私達庶民からすると色々と不透明で納得
がいかないことばかりです。
しかし、こうしたコストカットやコンパクト化を全面に
出すことに違和感を感じることもあります。
政治の現場には様々な物差しがありますが、
正しいとか、間違っているという判断の基準は
論理的で知的でありますが、時に冷たく感じる
こともあります。
「天下のこと万変といえども、吾がこれに応ずるゆえんは、
喜怒哀楽の四者を出でず。
これ全ての学の要にして、政もすべからくその中に在り」
陽明学を樹立した王陽明(中国の思想家)の言葉です。
政治も、経済も今の世の中めまぐるしく変化します。
しかし、どんなに世の中が変化しようと、最後は喜怒哀楽
の人間の情が土台となると説いています。
政治・経済・学問全てにおいて、情を超えるものはない
ということです。
東京オリンピックの会場問題についてもコストカットは
当然重要です。しかし選手や関係者を無視した、情の欠け
た判断は一時的には正しい厳しさに見えても、それが損得
のエゴである場合この大会が世界中の人々の心にどう残
るのかが不安です。
一生に一度あるかないかの母国でのスポーツの祭典です。
開催国である我々がいかに喜びいかに楽しむかという視点
で取り組むことが、世界が感動する「おもてなし」につながる
のではないでしょうか。
さて前号では、”食品ロス”を削減する企業側の取り組みとして
「在庫管理」が重要な役割を果たすことをお伝えしました。
そして返品を減らし在庫を適正化する為には
自社の在庫の管理だけではなく、顧客の在庫も管理する
必要があることもお伝えしました。
顧客の在庫を管理する為の4つの取り組みについて今回は
ご紹介します。
1.小売企業への販売提案
返品が発生する主な理由に定番カットが上げられます。
通年の定番化促進を小売企業へ積極的に提案・促進する活動を実施します。
食品メーカー大手の味の素でも、返品の発生理由の多くは定番カットにあるとし、
定番カットなどの返品削減を進めています。
2.小売・卸売企業への情報支援
POSやEOSなどによる情報ネットワークの構築を強化し、
エリア毎の平均気温や最低気温とPOS実績の関連データを配信
します。前年の販売実績と比較して実績の変動値を配信したり、
売れ筋、死に筋などの情報を分析・加工して配信するのも効果的です。
3.営業部門の評価基準作成
営業部門の評価指標に売上金額の指標だけではなく、
返品金額の指標を設け、売上を上げるだけではなく、
返品を減らす意識を持って頂きます。
4.卸売企業の販売実力評価
前年の販売数を商品別に算出し、月次・週次で今年の
納品実績と比較し、卸売企業の販売実力を測定します。
このような取り組みを実施することで、自社の在庫を管理する
だけでは不可能だった次元で返品を削減することが可能にな
ります。
「顧客の在庫を管理する」という視点を経営層や営業部門
を先頭に全社で持つことで、”消費者→小売→卸売→メーカー”
というように、川下からのニーズをズレなく掴むことが出来る
ようになります。
是非実践をされてみてください。