新年あけましておめでとうございます。
2017年もどうぞよろしくお願いいたします。
昨日1月9日は、各地で成人式が行われました。
新成人とご家族の皆様には心からお祝いを申し上げます。
総務省が昨年12月31日に発表した人口推計によると、
2017年1月1日時点で20歳の新成人は123万人だそうです。
前年比で2万人増えて、増加は2年ぶりということです。
しかし、中長期でみると新成人も微増微減しながら減少傾向が続くとみられています。
物流業界も他業界と同じく高齢化が問題になっています。
トラックドライバーは、40歳以上の割合が7割を超えています。
(普通車で約6割、大型車で約7割)
トラックドライバーで40代後半~50代前半だと、「若い」と言われるほど
この業界の高齢化は深刻化しています。
もはや待ったなしの少子化対策について、我々社会人や企業に出来ることを、
真剣になって取り組んでいかなければなりません。
子供を産んだ母親が働きやすい職場、夫が育児を手伝いやすい職場など、
我々企業が子供の育成を間接的であっても支援できるはずです。
家庭の事情は、会社の事情、国の事情です。
出来ることから子育ての応援をしていかなければと思います。
***販売チャネルの多様化で在庫引当の仕組みが変わる***
今回は店頭在庫をEC在庫として活用する為のフルフィルメント構築法をご紹介します。
販売チャネルがまだ限られていた2000年代は商品の在庫は物流センターで管理され、
実店舗の在庫とEC用の在庫は完全に区別されていました。
しかし、パソコンやスマフォから商品を購入出来るようになり、販売チャネルが多様化し
た2010年代は、実店舗の在庫をEC用として引当を行うフルフィルメントシステムを導入
する企業が増えてきました。
店頭在庫をEC用に引当することでどのようなメリットがあるのでしょうか。
まずはなんといっても、店舗周辺エリア顧客への配送リードタイムの短縮が上げられます。
この場合、当然店舗数や販売地域を多く保有している企業が有利になります。
ECで注文を受け付けて、顧客の最寄り店舗の在庫を引当し、2時間以内に商品をお届け
することも可能になります。
また顧客に商品を店頭渡しすることもできるので、商品の受け取りについて、顧客にオプ
ションを提供出来ます。
***実店舗の在庫精度の向上が鍵***
このように企業にも顧客にもメリットの多い方法ですが、実際にサービスを実現する為には、
ストックポイントが分散して複雑化するフルフィルメントに対応できる仕組みが必要になります。
まずは自社のウェブサイト上で店舗内にある在庫を確認出来る仕組みが必要です。
続いてその在庫を予約する機能もなくてはなりません。
上記のような仕組みを最低限構築して、次に手を打たなければならないのが、在庫精度の
向上です。
物流センターの在庫を引当する場合と、実店舗の在庫を引当する場合とで、大きく異なるの
は、実店舗の在庫精度は非常に低いという点です。
実店舗の在庫はPOSを通過した後に在庫がなくなるので、例えば顧客が商品を手に持って、
POSを通過するまでの間は、データ上在庫があることになります。
その在庫を顧客がECで予約して、その後に商品を手に持った顧客がPOSレジを通過すると・・・
このようなことも考慮しなくてはならない為、非常に複雑なシステムを構築することになってしま
います。
妥協点としては、予めバッファ在庫を設定しておいて、実際の店頭在庫より少なくECの方に
表示をすることで解決を図るケースがほとんどです。
***これまでとは逆の発想で在庫引当システムを構築***
さらに欲を言えば、”売れる商品を売れる店舗で売る”の逆の発想で仕組みを構築します。
”注文された商品を売れない店舗で売る”のです。
ECの注文の場合、在庫引当の優先順位は基本ではリードタイムとなる為、顧客の最寄りの店舗
から在庫を引当てることになります。
しかし、ある店舗で売れていない商品があれば、その店舗から在庫を優先的に引当てることにより、
不良在庫率を圧縮することが可能になります。
実店舗の在庫をECで活用する方法が日本より進んでいる米国では、このシステムを導入している
企業が沢山あります。
今や、顧客の消費行動はECと切り離すことは出来ません。
EC利用のデバイスは今後も多様化が進み、あらゆるシーンで消費活動が可能になり、複雑化する
ことが予想されます。
実店舗を中心に展開してきた企業にとっては、実店舗そのものがEC市場における戦略的差別化
となります。
実店舗の在庫をEC用に引当し、在庫コントロールを最適化するITツールを駆使したロジスティクス
の刷新を是非実現して下さい。