皆様こんにちは。
今回は【英国EU離脱によるアパレル物流への影響】をテーマに記事を書きたい。
先日、世界中が注目した英国国民投票が行われた。
投票開始前には残留派優勢と各メディアから発信される中、投票が始まる。
いざ結果の開示が始まると誰もが予想していなかった離脱派の優勢の状況のまま僅差で離脱派が票を多く集めた。
英国離脱の報道後、国内の市場にも大きな変化が現れた。
私も株を多少かじっているが今月24日は円も1ドル100円を割る円高・日経平均も14000後半でほとんど株安に転じる結果になった。
実際に英国がEUを離脱するにはあと数年は時間が必要になると思うがアパレル業界にはどのような影響がでるのか興味が湧いた。
昨今、円高が続きアパレル業界にとっても恩恵を受ける時期が続いたが状況は急変している。
日本貿易統計によると輸入のピークだった13年に比べると15年は単価の高い重衣料・中衣料
は8%も減り、枚数では1億枚程減った。
単純に衣料品が売れなくなっただけでなく、アパレル業界特有の過剰在庫・物流委託による物流コストの肥大が
問題として上げられる。
国内のアパレル大手を事例に説明したい。
日本で愛される英国ブランドとして思い当たるのがバーバリーだ。
アパレル大手【三陽商会】が過去半世紀にわたってライセンス販売を日本で行っていたが2015年S/Sシーズンを最後に事業が終了する。
英バーバリーが三陽商会との関係に終止符をうった理由として英バーバリーの【世界各国で直営化】のビジネスモデルの変化が原因
として考えられる。
バーバリーとの契約終了後の16年売上高を850億円としていたが、見通しは770億円と10%も下回る状況であり、
6月末に全社員の2割にあたる約250名の希望退職を行うと発表した。
英国のEU離脱との直接的な関係はないが進む円高による影響は大きいと感じた。
同社は3年前に、保有資産の見直しのために物流会社に商品センターを140億円で譲渡し物流業務の委託取引を継続した。
2013年は、スタートトゥディをはじめ少しづつアパレル業界も物流に着目し、委託から自社物流へ切り替える企業が
増え始めた時代でもあった。
【物流】をキーワードに考えるとここで大きな明暗が生まれたように感じる。
円高の状況がいつまで続くか不透明な中、以前の記事にも書いたインバウンド需要の激減等でますますアパレル業界はきびしい状況が続くことが予想される。
しかし、そんな状況でも売上を右肩上がりに伸ばしている企業も多数ある。そういった企業の共通点として自社で【物流】を行っている企業が多いと感じる。
経済の先が全く読めない今だからこそ、物流に対する考えを一新することでアパレル業界を勝ち抜くための大きな一手になるだろう。
著者:コニー
アパレルブランドで培った経験を活かし、 アパレル物流について日々勉強中。