今回は業務改革案作成のステップ2となる『新業務フロー作成』について説明します。
ステップ1の『業務改善項目整理』で作成されたリストを参考に業務改善案の幹となるフローを作成して
いきます。
業務フローの描き方については、本手引きの第5回で詳しく説明をしました。今回はフローの描き方の詳細については、
割愛しますので、第5回をまだ読まれていない読者は下記のページを事前にご覧ください。
https://www.inter-stock.net/industrytopics/no24/
第5回で業務フロー作成のポイントとして以下の3つを上げています。
1.フローの始まりは明確に
2.モノの流れを中心に据え簡潔に
3.全体よりもプロセス毎に
新業務フローの作成についてもこの3点は同様に重要なポイントになります。
ここでもSEを交えて業務フローを作成して頂きたいと思います。業務部門のメンバーだけだとどうしても、
現状の運用フローから大きくイノベーションを起こすことが難しいためです。
SEと業務部門のメンバーが一緒になって、描く理想に近い業務フローを徹底的に突き詰めて考えることが必要です。
新業務フローを設計していく場合も、物流業務の各作業をいくつかの「プロセス」に分解します。モノの流れを中心に
据えて、各作業を細かく分解してフローを作成していくことで、現場の業務を「モデル化」することが可能になります。
「モデル化」出来ると、今まで全く別の業務に思えていたようなことも、システム的にはデータを変えるだけで対応可能
であることが見えてきたりします。
現状の業務フローを作成する場合は、それほど頭を悩ませなくても済むのですが、新業務フローを作成する場合は、
なかなか思ったように作業が進まないものです。
そのような場合は、最初から完璧なフローを作成しようと思わず、
後から何度でも修正出来るといった気楽な気持ちで作成すると作業が進みやすいです。
ざっくりと流れを作ってみて、その後で細かい箇所を検討していけばよいでしょう。
新業務フローを作成する際には、ステップ1の『業務改善項目整理』のリストを参考にしますが、第5回で作成した
現状の業務フローも同時に参考にします。
ただし、こちらはあくまで参考レベルにとどめておいてください。
あまり現状の業務フローに頼りすぎると、現状とあまり変わり映えのしないフローに落ち着くケースが多い為です。
最後にイノベーションを起こす新業務フロー作成のポイントを下記にまとめます。(図1)
ITでビジネスのイノベーションを成し遂げるには、システム構築の手法や導入手法そのものをイノベーションしていく
必要があると筆者は考えています。従来の方法に囚われず、失敗を恐れずチャレンジする姿勢がSEにも求められます。
新業務フローの作成は業務改革案の作成の中でも重要なステップです。理想の実現に向けて妥協せず、納得いくまで
書き直ししましょう。リスクや失敗を恐れてフローを描くとイノベーションは起こせません。今までの常識を全否定する位の
覚悟で理想のフローを描いてみましょう。
次回は「費用対効果の算出方法」について説明します。どうぞお楽しみに。
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著者:まさやん
製造業を中心にこれまでに300社以上の倉庫管理システムの導入を経験。
その酸っぱくて甘い経験を活かし、失敗しない効果性の高い倉庫管理システムの導入コンサルタントとしても奮闘中。