今回は不良在庫の解消についてお話しします。
在庫を抱える企業で悩みの種となっている問題の一つに不良在庫があるのではないでしょうか。
不良在庫には大きく分けて5つの種類があります。
・不良品 ・・・ 品質検査に通らないもの
・期限切れ ・・・ 賞味期限を超えたり、規定日数を超えた商品
・不動在庫 ・・・ 動きの無い商品
・死に筋在庫 ・・・ ほとんど売れていない商品
・低回転在庫 ・・・ 在庫回転が悪い商品
不良在庫は出さないのがベストですが、上手くいかないのが現実です。
◆不良在庫が何故いけないのか
それは、商品を作るために使ったお金が滞留してしまうからです。
単刀直入にいうと、一般企業の目的は利益(お金)を増やすことです。
そして、お金の流れは、現金→商品→(売掛金)→現金→…という流れを繰返します。
商品はお金が形を変えたもので在庫のまま滞留しているということは、お金の流れが詰まっているということを意味し、資金繰りの悪化にもつながっていきます。
◆日頃の在庫管理を見直す
まず、適正在庫を維持するのがベストですが、商品が多岐にわたる場合、目視で確認するだけでは限界があり、単に入庫、出庫、在庫が分かるだけでは不十分なためです。
この場合、前回のメールマガジンでもお話ししたように、在庫管理システムの導入が効果的です。
自社倉庫を持ち、長年運営している企業であれば、ノウハウ蓄積されていますが、これから検討を行う場合、比較的容易にノウハウの提供を受けることができるのが倉庫会社です。
もし、在庫管理の見直しを検討されているようであれば、複数の倉庫会社を比較することをお勧めします。
◆売り切ってしまう
過剰在庫や型落ち商品のセールがこれにあたります。
廃棄するくらいなら安くても売り切ってしまい、現金を回収しようという基本的な手法ですが、企業やブランドイメージの低下のデメリットを考慮し、あえて安売りは行わない企業もあります。
◆廃棄する
売れる見込みのない商品は早目の廃棄を行いましょう。
特に、大量の在庫があればその保管料も見過ごせません。
いつ売れるか分からない商品のために保管料をかけるよりも、定期的に廃棄を行い、保管スペースの確保を行うことも重要なことです。
廃棄の際には必ずマニュフェストを取って、できれば現物の写真も残しておきましょう。
◆評価損を計上する
不良在庫を直接解決するものではありませんが、在庫評価損を計上する方法があります。
商品はお金と違い劣化してしまい、時間が経つと仕入価格より価値が下がることがほとんどです。
決算期などには在庫の評価損を計上し、適正価格の管理も必要になります。
評価損計上は実際の在庫を廃棄するわけではなく、帳簿上で処理を行います。
これを先延しにすると、後々一気に評価損、処分損を計上しなければならない可能性がある他、場合によっては利益操作を疑われることもあります。
例えば、1年間全く動きがない、またはごく僅かであるような商品は評価損計上の対象となります。
最後に、不良在庫を解消するためには下記3点のポイントを挙げます。
1.不良在庫でも売れないかを検討し、売れないと判断すればすぐに廃棄する。
2.在庫管理システムの活用等で日常の在庫管理を適正化し、不良在庫削減を行う。
3.廃棄しない(できない)場合であっても早目に評価損の計上を行う。
不良在庫の解消で在庫管理の精度が格段に向上する場合もあります。
今一度、不良在庫について見直してみてはいかがでしょうか。