効果性の高い倉庫管理システム構築の手引き -第9回-|オープンソースの倉庫管理システム(WMS)【インターストック】

物流業界トピックス

効果性の高い倉庫管理システム構築の手引き -第8回-

no35 図1

■集めた数値を使って課題を見える化してみよう ~前回からの続き~

さて、今回は物流管理の数値項目について説明をします。
物流管理に分類される数値項目は全部で6種類あります。
この6つの数値で簡単に自社の物流水準が図れるというわけです。
さっそくご紹介しましょう。

05.物流コスト率

物流コスト率とは、年間の売上高に対して、物流コストの割合を算出した値になります。
業界によって若干のバラつきはありますが、業界全体で4.7%が平均値となっています。
ただ上場している企業でさえも、この物流コストの算出方法は曖昧な場合が多く、正確に数値として捉えている企業は少ないようです。
同業他社の業界水準値と比較する場合は、日本ロジスティクスシステム協会のホームページが参考になります。https://www.logistics.or.jp/data/survey/cost.html

算出方法は第6回でご紹介した『物流コスト』の値に、同じく第6回でご紹介した『ワークボリューム調査値』の合計の値(人件費)を足して、それを年間売上高で割ります。

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06.誤入荷率

入荷明細数(行数)に対してどれくらいの割合で入荷ミスが発生しているかを算出します。
物流現場においては、「入りを制する者全てを制する」です。
制するというと少し大袈裟な表現かもしれませんが、入荷をしっかりと抑えていないと、その後の在庫や出荷全ての業務に影響を与えてしまいます。
誤入荷の場合は、直接お客様(納入先)に迷惑がかからないので、誤出荷に比べると管理意識が低い現場が多いようです。

確かに誤入荷で即クレームになるということはありませんが、結果的に欠品や納期遅延などを引き起こす原因になりますので、放っておくといつまでたっても物流現場のレベルは改善されません。
正確な在庫管理を運営する上においても、この”誤入荷率”は徹底して数値を改善して行く必要があるのです。

no35 図3

07.誤出荷率

出荷明細数(行数)に対してどれくらいの割合で出荷ミスが発生しているかを算出します。
入荷と違って出荷の場合は、ミスが即お客様のクレームになります。企業の信用にも大きく関わる要素ですので、ミスのない運用を徹底していかなければなりません。

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08.納期遵守率

お客様との約束納期に対してどれだけ遵守出来たかを表す指標です。誤出荷率と同じく企業の信用に大きく関わる要素です。
製造業であれば製造品質と同じくらいに気を使わなければならない要素になります。
必要な時に必要なものを必要なだけミスなく届けることが当たり前のように求められる現在の物流においては、こうした指標に真剣に向き合うことが大切になってきます。

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09.行当たり入荷生産性

入荷作業の1行当たりの時間を求めることによって、自社の標準的な生産性を知ることが出来ます。
計算方法は簡単です。第6回で集めたワークボリューム調査値の内、入荷作業に含まれる項目の総時間を「10.入荷件数/日」で割れば求められます。
この時、入荷総時間は秒に変換して計算して下さい。

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1日の入荷件数(行数)が200件の現場で例を上げてみましょう。
入荷検品リスト発行、入荷検品、入荷ラベル貼付の合計時間が4時間であった場合、下記の通り1行当たり72秒の生産性ということになります。

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■まとめ

今回は物流管理の指標について説明をしました。あなたの会社の数値はいかがでしたでしょうか?
業界によっては誤出荷率や納期遵守率の数値が良くないと、お客様満足度が低下しそれが未来の売上減に繋がる恐れもあります。
毎月このような数値をしっかりとチェックすることが大切になります。

次回は財務管理の3つの指標についてご紹介します。お楽しみに。

 

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著者:まさやん
製造業を中心にこれまでに300社以上の倉庫管理システムの導入を経験。
その酸っぱくて甘い経験を活かし、失敗しない効果性の高い倉庫管理システムの導入コンサルタントとしても奮闘中。

 




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