前回、在庫を分析する上で必要な「3つの指標」(下記)について考えてみましたが、今回は、ケーススタディを基に考えてみたいと思います。
【3つの指標】
1)在庫回転率
2)平均在庫高
3)在庫回転期間
あなたは、某アパレル販売企業W社の中で仕入部門の責任者をしています。
W社で取り扱う多数のブランドを日々管理し、仕入先の交渉、発注、そして店舗への配送などを担っています。
年々厳しくなっているアパレル業界。
W社も残念ながら、数年前から売上、利益ともに減少傾向にあります。
いろいろと手は打っているものの、抜本的な解決には至っていないのが現状です。
しかし、固定ファンがいて、人気のあるブランドも十分抱えているため、商品展開としては他社に引けを取っていないと自負しています。
ただ、予想している売上と利益が取れていないのです。
そこで、データ分析を行うことで現在の売上および利益の減少要因を明確にし、今後改善する見込みがあるのかどうかを把握していくことにしました。
データ分析のアプローチとして、
1.課題の見極め(目的の明確化)
このケースでは、「在庫が収益を圧迫している要因を見極め、在庫適正化を図る」ことが目的となります。
2.仮説の洗い出しと絞り込み
企業の課題として、適切な在庫管理ができていないという課題が上がっていたため、売上・利益のロスの原因を「在庫管理の面」から
仮説を立てていきます。
有力と考えられるのは、ブランド力の高い(売上の大きい)商品の欠品が生じていたり、
売上規模の小さい商品が過剰に在庫されていることにより、総在庫と比較して十分な売上
が確保できていないことから、収益性を圧迫しているという仮説です。
3.分析・作業定義
①商品別売上および在庫傾向の見極めを行う。
商品別の売上および在庫状況を明確にすることで、現状の収益圧迫要因を明確にする
②売筋商品と死筋商品の状況把握を行う。
在庫状況に基づき、売れている商品と売れない商品の違いを明確にする
4.情報源の収集
商品別の売上および在庫状況の把握(実績推移等)
さぁ、それでは始めてみましょう!
あっ、今回はここまでです。次回からは、実際にデータ分析を進めて行きたいと思います。
著者:SHIGERU
大手外資系グラフィック製品メーカーでの製品企画を担当。
その豊富な経験を活かし、グラフィックを活用した倉庫管理ソリューションの企画で毎日頭が一杯。