デジタル技術が生み出すスピード経営 ~攻めのデジタル化戦略~|オープンソースの倉庫管理システム(WMS)【インターストック】

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デジタル技術が生み出すスピード経営 ~攻めのデジタル化戦略~

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 画像素材:FUTO /PIXTA

<目次>

1.「攻めのデジタル化戦略」とは

2.デジタル化戦略の基本コンセプト

3.デジタル化投資を評価する3つのステップ

4.おわりに


1.「攻めのデジタル化戦略」とは

 

これまで中小・中堅企業にとって、「不急のデジタル化を進めるゆとりはない」というのが常でした。しかし、デジタル社会の実現が急ピッチで進む世界経済において、デジタル化・情報化の遅れはそのまま経営不振に直結します。「攻めのデジタル化戦略」とは、明日の売上に直結するデジタル化を推進することです。省人化や効率化による「コスト削減」を目的としたデジタル化投資ももちろん重要ですが、こちらは「守りのデジタル化戦略」と言えます。一方、新たな顧客提供価値の創造やビジネスモデルの抜本的改革に直結するデジタル化戦略が「攻めのデジタル化戦略」であり、これこそがDXの本質です。”守り”と”攻め”のデジタル化戦略がごちゃ混ぜになって、DXの事例として紹介されたり、セミナー教育されているので注意が必要です。

そして最も重要なことは、「デジタル文化の醸成」であり、これがデジタル化推進の大前提となります。デジタル化文化の醸成には、社員の情報活用リテラシー(情報活用能力)を向上させる必要があります。そのため、トップ主導で、情報活用のムードづくりをすることが重要になるのです。

インターネットの急速な普及は、ネットワーク・コンピュータ時代を到来させ、ネットワーク型社会を創り出しました。そして、今はデータ活用を高い次元で実現し、知識創造経営の転換が求められています。さらに今後は5GやAIなどの最新テクノロジーを駆使した「データ活用」と「業務効率化」を新たな価値創造を目的として実行することが求められるようになるでしょう。経営環境が急速に変化するこのような時代を生き抜き、自社を発展させるには、攻めのデジタル化戦略によって経営システムを構築し、これまでとは異質の新業態を創造することが求められるのです。

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2.デジタル化戦略の基本コンセプト

 

ここで、「攻めのデジタル化戦略」についての定義を明らかにしておきましょう。「不確実性の高い環境に対して、長期的な展望のもとに、新たな価値を創造するためのデジタル活用戦略」ということになります。それにあh以下の点について考慮しましょう。

1.どのような価値創造を行うのか。
2.何を破壊し、何を生み出すのか。
3.どのような技術を活用するのか。
4.どのような情報を蓄積し、活用するのか。

上から順に検討すると良いのですが、これらの事項を見るだけでも、「コスト削減」を目的としたデジタル化とは一線を画すことがお分かりになると思います。
1と2については、デジタルを起点に経営戦略を変えなければならないような大きな変化を検討します。これがパラダイム・シフト(戦略思考の枠組みの変化)になり、攻めのデジタル投資のきっかけ(動機付け)となります。

現在の日本企業は、かつての高度成長時代の「おごりの経営」が未だ捨てきれず、パラダイム・シフトできずにいます。これまで成長を支えた要因が、ある段階から衰退の要因になるという経営の基本原則を捉えて、世界のあらゆる市場において「競争のルール」が急速に変化していることを知らなければなりません。

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3.デジタル化投資を評価する3つのステップ

 

多くの企業はデジタル化をどのように推進すべきか悩んでいます。弊社にも毎日のようにそういった相談を頂きます。デジタル化の必要性を理解しても、その投資効果を明確に測定できないのが不安の原因のようです。また「守りのデジタル化」の投資に比べて、「攻めのデジタル化」の投資の方が費用対効果の算出が難しいのも事実です。確かに限られた経営資源を効率的に活用するには、投資効果の算出が不可欠です。しかし、多くの企業が新たに生み出す価値や長期投資の価値を明確に示す指標を持ち合わせていません。この点については皆さん同じ悩みを抱えていらっしゃるようです。倉庫やトラックといった有形資産の投資と違ってデジタル化といった無形資産は目に見えないので不安になるのです。しかし、グローバル企業の価値の48%が無形資産にあるとされている状況も無視はできません。

では、攻めのデジタル化投資による長期的価値をどう測定すればよいのでしょうか? 3つの重要なステップについて説明します。

1. 市場のディスラプターの存在を注視

経営トップは、常に自社の市場において、新たなテクノロジーによるディスラプター(破壊的企業)の存在を注視します。ディスラプター(破壊的企業)とは、デジタルテクノロジーを活用することにより既存のビジネスモデルを破壊する企業(主にベンチャー企業)のことを指します。 デジタルディスラプターや、破壊的イノベーターともいわれます。ビジネスを取り巻く状況を明確にしつつ、ディスラプターの存在を注視するということは、長期戦略を支えるデジタル化 投資の明確な回答を準備することになります。

2.顧客にとっての価値を評価する

自社の重要な顧客を特定し、企業活動からそれぞれの顧客が得られる価値を評価します。自社の事業が社会的課題の解決にフォーカスしているのか、市場に革新的技術をもたらしているのか、といった点を検討する必要があります。物流企業であれば、気候変動と戦い、カーボンニュートラルに貢献することが求められます。顧客である荷主に対して、納得頂ける価格で信頼性の高いサービスを提供する必要があります。自社にとって極めて重要な顧客は誰か、そしてどのような価値を提供する必要があるのか。こうした点について評価することで、独自のポジションを確立する方法を見出すことが出来るようになります。

3.戦略実行に必要な能力を特定する

1と2によって、計画された戦略を推進するために必要な能力を明確にします。長期的価値を創出し、それを長期的に提供するための手段やリソースについて検討します。自社の長期的な成長にとって、デジタル化投資が最も重要な意味を持つ投資であると理由付けさせるためには、これらの問いに答えることが不可欠です。
デジタルを起点として、あらゆる角度からトランスフォーメーションの課題に取り組むためには、どのような人材、技術、能力が必要になるかを自問自答しましょう。

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4.おわりに

 

デジタル化戦略への支持を勝ち取るには、企業戦略とその実行能力に合致した指標を定めることが重要です。企業がB/SやP/Lなどの財務指標以外の指標を持って、長期的な成長戦略に対する進捗状況や、さらに多くの価値を生み出す可能性について測定することには企業だけではなく、社会全体にとっても重要な意味があります。今日のビジネスにおいて、デジタル化は企業成長を促すだけでなく、環境問題の解決やより良い社会を創る最も強力なエンジンです。企業が全てのステークホルダーのためにデジタル技術を活用して価値を創造する道を歩むとき、世界はより良いものになっていくのではないでしょうか。

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