デジタル技術が生み出すスピード経営 ~業務効率化に活かす~|オープンソースの倉庫管理システム(WMS)【インターストック】

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デジタル技術が生み出すスピード経営 ~業務効率化に活かす~

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 画像素材:metamorworks /PIXTA

<目次>

1.バタフライエフェクトが世界を変える時代

2.「ヘーゲルの螺旋的発展」を経営デザインに活かす

3.おわりに

 


1.バタフライエフェクトが世界を変える時代

 

1985年、日本は国民1人当たりのGNP(国民総生産)が世界一になりました。当時のアメリカにとって、もっとも脅威だったのは間違いなく中国ではなく日本でした。アメリカの社会学者エズラ・ヴォーゲル氏が『ジャパン・アズ・ナンバーワン』を出版し、日本でも70万部を超えるベストセラーとなりました。
「自分たちはすごいんだ」とすっかり自信を持った日本人は、ヴォーゲル氏がその著書で高く評価したそれまでの謙虚さ、勤勉さを忘れ、”おごりの経営”が散見されるようになりました。そこからバブル崩壊、平成不況と苦しい時代に突入した日本企業は、コスト削減、組織・業務のスリム化、雇用縮小といった効率最優先の経営を続けるようになっていきました。

結果として世界をリードする米国との差はますます開き、中国にも追い抜かれ、2021年時点で中国とのGDP(国内総生産)の差は3倍になりました。国がさまざまな景気対策を行ってはいますが、日本人全体が自信を喪失している今日、悲壮感や敗北感をぬぐえないでいます。このまま国の景気対策を当てにしても、赤字財政のつけを子孫に残すだけになってしまいます。それぞれの企業が生産性を上げ、利益を生み出していくしかありません。しかし、経営を取り巻く環境が激変し、もはや過去の延長線上に成長を見込むことは難しい時代を迎えています。つまり、これまで成功したやり方をいくら再現させようと努力をしてみても徒労に終わってしまう可能性が高いのです。一方で、過去の常識では考えられないようなスピードで経済や市場の在り方をあっという間に変えてしまう企業があります。

企業とか市場とか社会といったシステムが複雑になっていくと、なぜかそれは生き物のようになり、生命的システムに変わっていきます。生命的システムの 中で特筆すべき特徴の一つがバタフライエフェクトです。米国の作家アンディ・アンドルーズは「バタフライ・エフェクト  世界を変える力」という著書において、一人ひとりの小さな行動が、世界に大きな影響を与えることを説きました。システムが複雑になればなるほど、巨大なシステムの片隅のほんの小さな”ゆらぎ”がそのシステム全体をガラッと変えてしまう性質が強まっていくのです。スティーブ・ジョブス(アップルの創業者)という、たった一人の天才が世界をどれだけ変えたか考えてみてください。Googleのセルゲイ・ブリンとラリー・ペイジの若者二人はスタンフォードの片隅で、「僕らはこの検索エンジンで世界の情報をインデックス化するんだ」としてあっという間に世界を変えてしまいました。Amazonのジェフ・ベゾスは創業からわずか5年で450万人の顧客を抱える世界最大の”書店”になりました。

新型コロナウイルスでもこのバタフライエフェクトを見ることができます。新型コロナウイルスによって、中国の一部の工場が停止だけで、中国に部品・原材料を依存する国々は生産ラインを止めることになり、世界経済がシャットダウンしました。こちらはあまり良くない例ですが、いずれにしてもここでお伝えしたいことは、今はすばらしい時代だということです。志と使命感があれば、たった一人でも、たった数人でも世界を変えることが出来る時代なのです。

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2.「ヘーゲルの螺旋的発展」を経営デザインに活かす

 

複雑系の経済システムの中で成功を掴むには、難しいアルゴリズムを理解したり、複雑な経営システムを構築することに多くの時間を充てるよりも、根本的な本質を掴むことに時間を割く方が賢明です。

最近女性のファッションを見てみると、私たちのお母さんが若い頃に着ていたような1970年代のようなファッションが流行っているようです。またソックスにしてもハイソックスからルーズソックスになり、ハイソックスに戻ったかと思えば今またルーズソックスが流行っているようです。このように、時代のトレンドというのは、常に繰り返されている(ループ)ということがわかります。この法則を発見したのは19世紀のドイツを代表する哲学者のゲオルク・ヴィルヘルム・フリードリヒ・ヘーゲルです。ヘーゲルはこの現象を螺旋階段に例えて説明しました。これが「ヘーゲルの事物の螺旋的発展」と呼ばれる原則です。

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螺旋階段は、真横から見ると下から上に上っているように見えます。しかし、真上から見るとぐるぐる回っているように見えます。つまり、ヘーゲルが提唱した事物の螺旋的発展というのは、事物の発展は同じところをぐるぐる回りながら(原点回帰を繰り返しながら)発展していくということです。こうした根本的な社会システムの本質を掴み、それを経営に活かすことが大切です。また、これまでのように、規模の経済が企業発展の必要条件ではなくなったということも認識していただきたいのです。今は優れたアイデアや技術さえあれば、ヒト、モノ、カネといった経営御資源は世界中から調達することができる世の中になったのです。そして今の時代、経営をスピードアップさせるには、デジタル技術の活用は欠かせません。日本でも低迷する大企業を尻目に急成長している小さな企業が沢山あります。それらの企業に共通するのは、トップのリーダーシップのもと、戦略的に優れたデジタルデザインを行っていることです。「データを制するものがビジネスを制す」ということがよく言われますが、それもそのうち使い古された過去の格言になるでしょう。コンピュータの歴史を振り返ると1600年代に事務計算機として誕生し、「業務の効率化(コンピューター化時代)」⇒「通信インフラの整備(インターネット時代)」⇒「データの活用(ビッグデータ時代)」という具合に発展をしてきました。今はまさに「データの活用の時代」ですが、ヘーゲルの螺旋的発展の原理を信じるならば、必ず原点に回帰するはずです。つまり、今後は「デジタルを業務効率化に活かすものがビジネスを制す」時代がやってくると私は勝手に思っています。ここで重要なのは、螺旋的発展の原則として、ただ原点回帰するのではなく、必ずさらに上の次元で回帰するという点です。業務効率化に活かすといっても、1600年代の事務処理機としての活用では発展したとは言えません。5GやAIやロボットといった最先端テクノロジーを駆使した業務効率化によって、企業がアジリティ(敏捷性)を確保することが次なるコンピューターの螺旋的発展だと予測しています。


3.おわりに

 

弊社は今、国内外のトップクラスのエンジニアとチームを組んで、バタフライエフェクトを起こそうと「輸快通快(ゆかいつうかい)」というLFAの開発に挑戦しています。少し宣伝染みた話になってしまい恐縮ですが、LFAとはロジスティクス・フォース・オートメーションの略称です。データドリブン型のAIを活用して物流の最適化問題を解決することで、業務効率化を高い次元で実現するというソリューションになります。「データ活用の時代」を経て、コンピューター発展の原点に回帰し、業務の効率化にコンピューターを活用する時代がやってくることを信じで懸命に取り組んでいます。もし少しでもご興味あれば、我々と一緒にラボ型のチームを組んでより高い次元でデジタル活用に取り組んでみませんか。以下のバナーをクリック頂き、お気軽にご相談を頂ければ幸いです。

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